前回、蓄電池の種類と寿命にて少しご紹介しましたが、今回は家庭用蓄電池で多く使われている「リチウムイオン蓄電池」の寿命について
さらに掘り下げていきたいと思います。
『サイクル数とは』…
充電と放電を1セットとして、何回充放電を繰り返すことができるかを表す単位となります。
蓄電池の寿命は『サイクル数』がひとつの目安になります。
1サイクルの数え方は、電池残量が 0%の状態から 100%まで充電を行い、
そこから 0%になるまで使用までを 1サイクル ( 1往復が 1サイクル) となります。
一般的な家庭用蓄電池で使用されている「リチウムイオン電池」の寿命はメーカーや種類によって異なりますが、
10年から15年、4000~6000サイクルが目安となっております。
蓄電池のサイクル数と1日の充放電回数がわかればおおよその寿命がわかります。
ただし、あくまでも目安であり、サイクル数が超えたとしても経年劣化により充電可能な容量が減りますが、
すぐに使えなくなるわけではありません。
次に、蓄電池の劣化に大きな影響力を与える要素として 『放電深度』 があります。
『放電深度』 とは...
電池の放電容量に対する放電量の比のことで、簡単にいうと、1サイクル時に「蓄電池を何%まで放電するか」を表す値です。
蓄電池は年数が経つにつれて放電深度は小さくなっていきます。
この『放電深度』は、充放電を繰り返す蓄電池の劣化と密接に関わっており、放電深度が深いほどバッテリーの劣化を早めるとされています。
メーカーにより様々ですが家庭用蓄電池では、およそ70%~80%に設定されていることが多いようです。
(100%で設定されている場合もあります。)
家庭用蓄電池で使用されるリチウムイオンバッテリーは、基本的に0%まで完全放電すると劣化が早くなってしまいます。
そのため、放電を残量20%で止めておけば、より長く使用できるようになるというわけです。
蓄電池を購入する際は、サイクル数だけでなく 『放電深度』についても把握しておきましょう。
サイクル数の他に、蓄電池の寿命には容量も関係します。蓄電池によってまかなう電力量にもよりますが、
容量が小さいもので1日2サイクル使用するよりも容量が大きいもので
1サイクルで使用した方が規定のサイクル数に達するまで時間を要するため長寿命であることがわかります。
⚡蓄電池の寿命を延ばすポイント |
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サイクル回数というのはあくまでも目安であり、使用環境や使い方で、劣化が早まってしまう場合もあります。
蓄電池の寿命を延ばすためには、以下のポイントに注意することが重要です。
■ 過充電・過放電を避け、ある程度こまめに充電を行いましょう。
蓄電池は、充電が100%になると、過充電になります。
過充電が繰り返されると、蓄電池の寿命が短くなってしまいます。
こまめな充電を心がけましょう。
■ なるべく1日1サイクルで使いましょう。
一般的に、蓄電池の寿命は、サイクル回数によって減少するとされています。
蓄電池を1日に充放電を2回以上くり返したり、推奨されていない使用方法のまま使い続けたりすると、
想定よりも劣化が進み寿命が短くなる場合があります。
■ 直射日光、極度な高温・低温の環境下での利用を避けましょう。
蓄電池は、高温や低温下では正常に動作しなくなることがあります。
蓄電池の設置場所に注意しましょう。
蓄電池に付着した汚れやコネクターの接触不良などが、寿命を短くすることがあります。
定期的に清掃し、接触不良がないか確認しましょう。
蓄電池の特性や用語について理解していただき、ご家庭にあった蓄電池選びにお役立てください。
蓄電池の購入、設置を検討されている、選び方に不安をお持ちの方は ぜひ一度小川電機にご相談ください!
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